Pandora❄firstlove
「正直に言ったら、愛ちゃんは俺のこと振り向いてくれるの?」
「え………キ……ツ」
「だよね~」
好青年くんはケタケタと笑ってる。
何なんだろうこの人。
「冷やかしなら、何処かに行ってくれませんか」
「えー、チャンスくれませんか?眠り姫」
「チャンスって………」
「だって、君一人で寂しそうだから」
瞳を覗き込まれて、ドキリとして。
「何で、何で、話したことないのにそうゆうふうに見れるの?」
「だって、周りの女の子よりも優しいし、明るいし、悪口言わないじゃん」
何だかなんでもない所を、褒められ慣れてない私にとってとっても気まずい。
「そんなことだからさ、ちょっと視野に入れてくれませんか?だって、このまま一人に君を淋しい世界に閉じ込められているような気がするからさ」
「見くびってる?」
「まさか………僕は君と同じになれると思うよ」
「貴方も窮屈なの?」
「学校ってのは、そういうものだよ」
たしかにこの好青年は、イケメンだし女子からも何個かチョコレートを貰っている所を少し見たことがあった。
「俺、和也。よかったらこれーーー連絡先」
紙を渡されて、颯爽と去っていく爽やかなミントの香り。
「私に………春が来るとは」
呆然と立ち尽くすしかなかったけど、前よりかは窮屈な時間を消費して楽しめそうだなーだなんて思ったりして。
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