Pandora❄firstlove
「やめてくれ………」
「事実じゃない。でも、その事実は実らない。何故なら貴方は司先生の前では格下だから」
ぎりぎりと胃が痛い。
これも夢であってほしいのだけど、そうはいかなくて。
「なぁ、林檎先生」
「なぁに?」
「司先生は愛の事を、どう思ってると思う?」
「うーん」
暫く林檎先生は悩んだ。
結果。
「好きでしょうね」
「その後は?なにか進展をしようとしてるのか?」
「そんな不届きなことはしないでしょうけどーーー結ばれはするかもね」
「なっ!?!?」
「だから言ってるじゃない。取られるかもって」
「だけど、俺ーーーそんな卑怯な手を使いたくない」
お湯を注ぐ林檎先生を睨みつけるも、微笑ましいと言わんばかりにニコニコする林檎先生。
「そんな事、しなくても大丈夫よ。手は私が汚すわ」
「………どうゆう事だ?」
「貴方は、愛の気を引いてればいいの。その隙に私はねーーー」
そっと俺に耳打ちをしてくる、林檎先生。
その淡いピーチの匂いに翻弄されながらも、俺は息を呑んだ。
それなら………それなら本当に俺は愛ちゃんを手に入れられるのではないかと………悪魔の手に落ちてしまって。
「考えてーーー見ます」
と承諾してしまったのも時間の問題だった。
*