この関係、治療につき~変人伯爵さまはメイドのわたしにご執心(ただし、研究材料として)~
「らーなー」

 目の前で手のひらが動く。驚いて飛び上がると、わたしを驚かせた張本人は楽しそうに笑った。

「一体どうした。なにかあったのなら、私に話してみるといい。解決する保証はないけどね」
「せめて、解決する保証をください……」
「それは無理な話だ。キミの問題である以上、私にはできることが限られている」

 彼は地面に腰を下ろすと、わたしを見上げた。とても澄んだ瞳は、この人の独特の雰囲気を増幅させている。

「ま、どうせキミのことだし、今日もなにかをやらかしたんだろう」
「……う」

 図星だったので、反論できない。

「だが、現状私はキミをクビにするつもりはない。安心していいぞ」

 と言われても、安心なんてできない。

 わたしはこの人に迷惑をかけたいわけじゃない。――恩返しがしたいのだから。
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