私は遠くから
1週間余韻ですごして、その後のバイト帰り、夕奈はひとりで夜道を歩いていた。
 街灯の下、少し寒い夜風に頬を撫でられる。

 「夕奈さん?」

 振り返ると、見慣れた顔があった。高瀬陽介。
 遊びの場にはいなかったけれど、バイト先で何度か挨拶したことがある。

 「え、陽介くん……どうしたの?」
 「ちょっと聞きたいことがあってさ。」

 二人で歩きながら、陽介は真剣な顔で言った。
 「……あのさ、夕奈さん、あいつのこと好きなんだろ?」

 夕奈は一瞬立ち止まり、頬が熱くなる。
 「……う、うん、ちょっとね」

 陽介は笑って肩を軽く叩く。
 「そうか。なら俺、協力するよ。仲良くなるためにできること、できる限り手伝うから」

 夕奈は驚きながらも少し笑った。
 「え、協力してくれるの?」
 「もちろん。俺めっちゃアイツと仲いいから!全力でサポートするよ」
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