毒舌男子の愛は甘い。
「でも……以前みたいに、無理してるわけじゃなくって、凪くんのことが好きすぎて、勝手に尽くしちゃうんだよ?」
頬が熱くなりながらそう言うと、凪の口角がわずかに上がった。
「……梓。与えてばっかじゃなくて、与えられることに、慣れて」
低く囁く声に、耳の奥がじんわり熱くなる。
気づけば凪が近づき、頬に手を添えて、自然な流れで唇がそっと触れた。
心臓が跳ねる。
付き合ってからわかったのは、凪は案外こうやって、普段から自然な動作でスキンシップをとりたがること。
普段のクールな様子からは想像もつかないくらい、行動が甘くて、不意をつかれるとドキドキしすぎて心臓に悪い。
びっくりしたまま固まる私の手から包丁を取り上げ、まな板の上へ置く。
「はい。座ってて。俺が作るから」
軽く肩を押され、ソファに座らされると、胸が高鳴る。
ぶっきらぼうだけど、ちゃんと私を気遣うその手つきに、安心と甘さが入り混じった感情が溢れた。
キッチンに立つ彼の背中を眺めながら、胸の奥がじんわりと熱くなる。
今まで、与えてばっかだった恋しか知らなかった私に、 ちゃんと返してくれる人がいる——その事実が、たまらなく嬉しかった。
やがて「できた」と食卓に並んだ料理は、少し不器用で、でも優しい味がした。
「……おいしい」
「よかった。」
フッと目を細め、軽く笑う照れた顔。この顔を私しか知らないのかもって思うと、心の奥がキュッと高鳴って、嬉しさで満たされる。
———彼の愛は甘い。
それを、私はこれからもずっと知っていくんだと思う。
もう、与えるだけじゃない恋を——きっと凪となら、続けていける。
(fin.)
頬が熱くなりながらそう言うと、凪の口角がわずかに上がった。
「……梓。与えてばっかじゃなくて、与えられることに、慣れて」
低く囁く声に、耳の奥がじんわり熱くなる。
気づけば凪が近づき、頬に手を添えて、自然な流れで唇がそっと触れた。
心臓が跳ねる。
付き合ってからわかったのは、凪は案外こうやって、普段から自然な動作でスキンシップをとりたがること。
普段のクールな様子からは想像もつかないくらい、行動が甘くて、不意をつかれるとドキドキしすぎて心臓に悪い。
びっくりしたまま固まる私の手から包丁を取り上げ、まな板の上へ置く。
「はい。座ってて。俺が作るから」
軽く肩を押され、ソファに座らされると、胸が高鳴る。
ぶっきらぼうだけど、ちゃんと私を気遣うその手つきに、安心と甘さが入り混じった感情が溢れた。
キッチンに立つ彼の背中を眺めながら、胸の奥がじんわりと熱くなる。
今まで、与えてばっかだった恋しか知らなかった私に、 ちゃんと返してくれる人がいる——その事実が、たまらなく嬉しかった。
やがて「できた」と食卓に並んだ料理は、少し不器用で、でも優しい味がした。
「……おいしい」
「よかった。」
フッと目を細め、軽く笑う照れた顔。この顔を私しか知らないのかもって思うと、心の奥がキュッと高鳴って、嬉しさで満たされる。
———彼の愛は甘い。
それを、私はこれからもずっと知っていくんだと思う。
もう、与えるだけじゃない恋を——きっと凪となら、続けていける。
(fin.)


