クズなキミからの不適切な溺愛
「な……っ、馬鹿、そう言うこと光莉さんの前で言うなよな。あと俺の黒歴史も絶対言うなよ」

「どうですかね、新名さん」

「私は黒歴史、聞いてもいいけど」

「マジで言ってます? やめといた方がいいです」 

「嫌われるもんな」

「黙れ、亮輔」

私は二人のやりとりを見ながらクスクスと笑う。

「次、新名さんお一人で来られるときあったらお話ししますね」

「はい、楽しみです」

「マジか……」

私の返事に吉良くんが眉を下げて、手のひらを首の後ろに当てる。

「あの、全部過去ですからね」

「うん、わかってるよ」

そう答えると今度は吉良くんが照れたようにそっぽを向いた。


「恩志、次何がいい?」

いつのまにか隣の吉良くんのグラスは空になっている。

「んー、いつもので」

「かしこまりました」

「あ! てか、亮輔ちょっと相談あるんだけど」

「どうした?」

「前にさ、探偵が知り合いにいるって言ってなかった?」

(探偵?)

(あ! もしかしてその人に高梨さんのことを?)

彼のその言葉に私はカウンターに前のめりになる。

「ここの常連で探偵の男がいるけど?」

「それって依頼可能?」

「紹介制だから俺経由なら問題ないよ」

吉良くんが私に目で確認する。

私が頷くとすぐに神楽さんに顔を近づけ、声を顰めて話し出す。

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