クズなキミからの不適切な溺愛
「そう、なんですか? てっきり、その……」

「あいつ、ああ見えて秘密主義だしプライベートは限られた人にしか見せないんで」

確かに吉良くんと一緒にいて会話には困らないが、彼自身の話はあまり聞いたことがない。

「まぁ、今まで女の子に不自由はしてないと思うけど、新名さんは特別だと思います」

「そう、だと……嬉しいです」

「余計なお世話ですけど、あいつ、クズキャラに見えて恋愛においては純粋ですよ」

私は神楽さんの言葉にこくんと頷く。

二ヶ月前と違って、その言葉に素直に納得できる自分がいる。それほど吉良くんの言葉にいつだって嘘はない。

いつも目を見て真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる。

私だけを見て大事にしてくれる。

「恩志、ちゃんとやれてます?」

「はい。いつも嘘なく気持ちを伝えてくれて……とても大事にしてくれています」

「それ聞けて安心しました。俺から言うのも何ですけど、末永く一緒に居てやって貰えると嬉しいです」

「私も……そうできたらって思っています」

私の返答に神楽さんが優しく微笑み返してくれる。

あと一ヶ月後、夏祭りで吉良くんにありのままの気持ちを伝えたい。

そのとき、カランとドアベルが鳴る。

(あ、吉良くん)

吉良くんは足早にこちらにやってくると、私の隣に腰掛けるや否や神楽さんにずいっと顔を寄せた。

「おい亮輔、俺がいない間に光莉さんと何話してたんだよ」

「俺に妬く?」
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