クズなキミからの不適切な溺愛
そして自分を奮い立たせると、無我の境地でベッドに彼女を寝かせた。

すると彼女が大きな目をぱちりと開ける。

「……あれ、吉良……くん?」

「あ、そうです。部屋の鍵閉めたらドアポケット入れとくから」

俺はタオルケットを彼女にかけるとベッドから立ち上がる。

「ゆっくり休んでください」

そっと頭を撫でれば、彼女の華奢な手が俺のジャケットの裾をきゅっと握った。

「帰っちゃうの……?」

「な……っ」

俺は思い切り手で口元を覆った。

(やば、可愛いすぎんだろ)

彼女は熱っぽい視線を向けたまま、俺をじっと見つめている。

(どうする?)

答えはほぼわかっているが、自分に問いかけてみる。しかし答えを導き出してしまえば俺は多分、彼女をめちゃくちゃにしてしまう。

(何もしないとか……俺にできるか?)

(いや、無理だろ)

(こんだけ我慢してんのに……!)

俺の返事を待ちきれないのか、光莉さんの小さな唇が控えめに動く。

「……いて」 

「光莉さん?」

「もう、ちょっと……いて?」

「う……っ!」

ギュインと心臓が何かを突き抜けて、俺はベッドに座り込んだ。

「はぁああ……」

(光莉さんは酒飲むと、積極的っつうか甘えてくるよな)

彼女の手が俺の手にそっと触れる。

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