クズなキミからの不適切な溺愛
「え? いいけど何か調べ物?」

「うん。今度二人でいくイタリアン調べたくて」

「スマホじゃなくて?」

(いちいちうるさいわね)


そう口に吐いてしまいたいが、まだ少しだけこの男には利用価値がある。そのためにここにきたのだから。


「スマホの電源切れちゃって〜」

「そっか、わかったよ」

あたしはキャミソールとショーツだけ身につけると、和馬のノートパソコンの電源をつける。パスコードは和馬の誕生日だ。

(写真、ここに入ってたわよね)


和馬が水を飲み、シャワーを浴びに行ったのを確認しながら、和馬が保管しているアルバムのファイルをクリックする。

そこには和馬が社内イベントの際に撮影した写真が沢山入っている。

(ここから適当に何枚かあの女の写真を……)

あたしは顔が大きく映っている写真をいくつか選ぶとすぐに自分のスマホに転送する。

そして和馬のパソコンから送信履歴を削除した。

(これでいいわ)

あたしはふっと笑うと適当にイタリアンレストランのURLをクリックしてパソコンの画面をそのまま放置する。

そして自分のスマホの捨て垢からあるサイトにログインした。


あの女が職場で絶望する姿を見るのが今から楽しみだ。


「大事なもの奪ってあげる、何もかも根こそぎ」

あたしはスマホの画面を見ながら、にやりと笑った。

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