クズなキミからの不適切な溺愛
※※

(はぁ、美蘭とのセックスはやっぱ最高)

僕はシャワーを浴びながら先程の美蘭との行為を振り返る。


ベッドの上で妖艶に腰を振り、積極的に僕のことも気持ちよくしてくれる彼女とのセックスは僕にとって一番の快楽でありご褒美だ。

しかし、最近の僕は美蘭との交際にうんざりすることも増えていた。

美蘭は可愛く甘え上手で申し分ないが、家事が一切できず食事に金がかかる上に、うちに来ても散らかし放題だ。

始めはセックスでチャラにできたが、段々と彼女の食事の世話や片付けをするのも嫌気がさしている。


「結婚なんかとんでもないね」

美蘭からベッドの上で言われてつい了承したが、あんな腰しか振れない女とは体の関係だけで十分だ。

(やっぱ僕も、父さんの息子だよな)

「女は男に尽くすべきなんだ」

それは父の口癖だった。

僕は大手企業の重役を務める父と教師をしていた母の間に生まれた。

成績優秀、容姿端麗の僕は何不自由なく育てられたが、ある時、度重なる父の浮気が原因で離婚することになった。僕は父について行くことに決めた。

僕には教職についているとは言え、さほど給料の高くない母が、強く離婚を希望したことを愚かだとしか思わなかった。

──だってそうだろう。女は男のようには稼げない。結局、どんなに頑張っても男社会はこの令和の時代になっても続いていて、この先もきっと大きくは変わらない。

女は子供を産み育て、夫のために尽くす。
当たり前のことだ。

(それなのに光莉のやつ)

以前、光莉は結婚してからも仕事を続けたいと話していた。僕はその言葉を聞いた時、心底失望した。

「……くそっ。仲居のくせに」

それでも光莉は僕から離れられない、そう思っていた。

光莉は僕との結婚を考えていたくらい、僕に惚れ込んでいた。だから美蘭との浮気がバレたところで、光莉は僕と別れない自信があった。

「それなのに……あんなクズと……っ」
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