クズなキミからの不適切な溺愛
「夏祭りって、もう二週間ないじゃん」

宙で日付を数えた亮輔に俺は相槌を打つ。

「そうなんだよな……」

「浮かないな」

「正直、こんだけ彼女といても気持ち聞くのは怖いよな」

「えらく弱気だな」

「レンアイ童貞なもんで」

「はは、早く卒業してこい」

俺が亮輔を睨みながらグラスを空にすれば、すぐに新しいカクテルが目の前に置かれる。


「ん?」

「俺のオススメXYZ。カクテル言葉は『永遠にあなたのもの』ちゃんと彼女に伝えろよ」

「何だよ……キザすぎんだろ」

「ここだけの話、俺は安心してんだけどね」

「え?」

「ずっと氷みたいな目してたから。だからあんな風に彼女の前で素で笑うお前見て、正直ほっとした。人間らしいじゃん」

「……それはどうも」

俺はそうそっけなく返しながら、彼女の笑顔を思い出す。

彼女の笑顔は魔法みたいだ。

彼女が笑うだけで勝手に俺も笑っている。

たわいない会話で幸せに満たされて、一緒にすごす時間に比例するように、ただただ愛おしさが募っていった。

彼女の俺への想いの質量なんて小さくていい。ただ俺のそばにいてくれたら、それだけで十分だ。

もう離したくない。
離せない。


──彼女は俺の運命の人だから。
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