クズなキミからの不適切な溺愛


「んっ、ンンッ」

私は会社のエレベーターに乗ると軽く咳払いをする。

少し前から風邪気味なのか喉に違和感があったのだが、今日は明らかに痛みがある。

(こんなときに風邪ひくなんて)


私は昨晩、夜遅くに吉良くんから電話をもらった。そして調査結果が出たと聞き、彼と再び家で会ったのだ。

(まさか高梨さんが……あの子だったなんて)

正直、調査結果の内容を聞いた時は信じられなかった。


また結果を聞いて更に、高梨さんの行動が理解できず、私は吉良くんが帰宅してからも一晩中ずっと考えを巡らせ朝を迎えてしまった。

(吉良くんは今すぐ警察に話そうって言ってたけど……) 

(でもその前に自分で確かめたい)

私は事務所の扉を開ける。朝一で得意先に書類を届けに行っている吉良くんはまだだが、すでに課長含む数名の社員が出社していて高梨さんも着席している。

「高梨さん、おはよう」 

「おはよう御座います〜」

いつも通り、何食わぬ顔をして甘えたような甲高い声が返ってきてから、私は彼女に顔を近づけた。

「大事な話があるの。時間作って」

いつもより低く抑揚のない私の声に、彼女がすぐに面白げに口元を緩めた。

「やっと気付いたんですね」
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