クズなキミからの不適切な溺愛
「ええ」

「じゃあ、近くの公園に19時で」

「わかった」

私は頷くと高梨さんから離れ、デスクに座る。パソコンの電源を入れれば、目の前に座る彼女がニヤッと笑うのが見えた。


(なに……?) 

そしてパソコンが立ち上がり、届いたばかりの社内メールを見て私は声を失った。

「な、にこれ……?」

匿名で全社員に送られてきたのは、あるサイトに登録されているアカウントの持ち主についてだった。


──『パパ活サイト・REAL LOVE 登録名 ひかりん 27歳 大手ドリンクメーカー勤務。大人あり お酒大好きで、好き嫌いなく何でも食べます。年上の男性に甘えたいです。ちょっぴり人見知りですが、仲良くしてください』


顔写真は目元は写っていないが、私を知っている人であればすぐにわかるほど、鮮明なものが使われている。


心臓が嫌な音を立てて、吐き気がしてくる。

(まさかこれも……、高梨さんが……)

美蘭に視線を向ければ、彼女が舌を出すのが見えた。

(ゆるせない……っ)

彼女に抗議しようとすれば、タイミング悪く課長から名前を呼ばれる。

「新名さん、少しいいかな?」

「はい」

騒がしくなった事務所内のあちこちから視線を感じながら、私は課長のデスクへ向かう。
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