クズなキミからの不適切な溺愛
「いまパソコンに届いたメールだけど、見覚えはあるかな?」

「いえ、見覚えもありませんし、これは私が登録したものでもありません」

「そうか……」

課長が難しい顔をしたまま、パソコンの画面を見つめる。


(私は何も恥ずかしいことはしていない)

(堂々としていればいい)

「一応訊ねるが副業はしていないということだね」

「はい」

──その時だった。

こちらに向かってパタパタと駆け寄ってくる足音がする。

「新名先輩、もう嘘はやめてくださいっ」

「え?」

その声に顔を向ければ、目を潤ませた美蘭がそばに立っている。

「ずっと黙ってましたけど、もう限界です。課長、私知ってたんです。新名先輩がパパ活してたこと……」

「何それ、デタラメ言わないで!」

「ちゃんと証拠もあるんです」

「証拠?」

怪訝な顔をした私を見ながら、美蘭がおずおずとスマホを課長と私に向ける。

「これ見てください」

「これ、は?」 

「な……っ」

そこには、私と見知らぬ男性がホテルに入っていく画像が映し出されていた。

「これ二週間前の写真です……。尊敬してる新名先輩のこんな姿……見なくない。もう嘘はやめてくださいっ」

(酷い……)

(ここまででっちあげてまで、私を貶めたいなんて)

涙ながらに課長に訴える美蘭に私は拳をぎゅっと握った。  

そして込み上げてくる怒りをそのままに、口を開きかけたその時だった。

「──嘘つきはどっちですか?」

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