クズなキミからの不適切な溺愛
頭上から降ってきた声に私は顔をあげた。

「吉良、くん」

「高梨さんが撮ったその画像、日付いつですか?」

「え? あ、ちょっと……!」

吉良くんは素早く美蘭のスマホを取り上げると、ふっと笑った。

「ああ、この日は新名さん、俺と一緒でしたよ」

「ちょっと吉良くん、何言いだすの……っ」

「いいから俺に任せてください」

彼は慌てる私を見てそう言うと、すぐに美蘭に視線を戻す。

「聞こえましたか?」

「はぁ? 女癖の悪いアンタの言葉を誰が信じんのよ」

美蘭の醜い顔を横目に、彼はすぐに課長に向き直る。

「課長、プライベートなことで申し訳ありません。僕と新名さんは高梨さんが目撃したという夜は仕事のあと一緒に食事をしていました」

「そんなのデタラメよ!」

「本当ですよ。この時間、知り合いのバーにいたんですけど、防犯カメラに俺と新名さんが映ってると思うので映像借りてきますね」

「な……っ」

狼狽える美蘭を見ながら、さらに吉良くんがパソコンを指差した。

「あと課長、このパパ活の写真、昨年の社内バーベキューの際の写真だと思うんですよね。ここ、よく見てください。背景にうちのビールのパネルが僅かですけど写ってるんで」

「ああ、ほんとだ。確かにな、よく見つけたな」

「ええ。もしパパ活をするのなら身バレするようなことはしないはずですし、そもそも新名さんがそんなことをするような人間じゃないと、課長もご存知だと思います」

吉良くんのその言葉に、課長も頷く。

そしてパタパタと足音が聞こえて目を向ければ、後輩たちが駆け寄ってくる。

< 125 / 218 >

この作品をシェア

pagetop