クズなキミからの不適切な溺愛
感情的になりすぎたせいか、呼吸も苦しく感じて、涙も堰を切ったように止まらなくなる。

「泣くの我慢しなくていいから」

「……ひっく……なんか……ずっと言えなかった、こと言えて……私っ」

芝田を赦すと言ったことが正しいのかはやっぱりわからない。

でもずっと記憶の片隅で黒くなっていたモノが溶けて小さくなったのは確かだ。

「大丈夫だよ」 

彼が私を優しく抱きしめて、私はすぐに両手を背中に回した。

「……ぐす……っ……」

「うん、頑張ったね」

そして吉良くんが私の背中を優しく摩る。

その手のひらが優しくて心地よくて、ほっとすると、なぜだかふいにめまいがしてくる。


「あれ、光莉さん?」

「ん……なんか……私」 

見上げた吉良くんは、どこか焦ったような顔をしているが、うまく頭が働かない。

そしてまわりの景色がぐるんと回る。

「き、らくん……」

「光莉さん!?」

私は彼の慌てた声に答えることなく、身体を預けると目を閉じた。

※※

< 132 / 218 >

この作品をシェア

pagetop