クズなキミからの不適切な溺愛
「全然。病院は? どうする? 解熱剤ならあるけど……」

「解熱剤、もらって、いい?」

「すぐ持ってくる。あ、食欲、ないよね?」 

解熱剤を飲む前に何かお腹に入れた方がいいと思ったが、案の定、光莉さんは首を振った。

俺はすぐに解熱剤と水の入ったグラスを光莉さんに渡す。

「ありがと……ケホッ」

彼女は解熱剤を水で飲み込むと、すぐにまた横になる。 

「熱下がるまで、しんどいから冷えピタ買ってきますね」

その言葉に彼女がまた首を振る。

「ここ……いて欲しい」

「ん、わかった」 

俺はジャケットを脱ぐと彼女の隣に横になる。そして背中をトントンとあやすように触れる。   

「眠るまでここに居るから安心してください」

彼女は紅潮した顔を俺に向けるとこくんと頷き、瞼を閉じる。 
 
(疲れが出たんだろうな)

高梨のカフェオレ睡眠薬事件に、今日もパパ活サイトメール、そして公園でのやり取りと彼女の心労は計り知れない。

俺もできるだけのことはしたつもりだが、結果的に彼女を精神的に支えてあげられていたかどうかは自信がない。

暫く背中を摩っていると、彼女の静かな寝息が聞こえてくきた。

「頼りなくてごめん」

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