クズなキミからの不適切な溺愛
(いま……言ったよな?!)

(絶対、いま好きって言ったじゃん)

(それも大好きとか、最上級じゃんか)

「やっば……」

俺は不謹慎ながらも、全身があっという間に熱くなってくる。そしてまたしても邪な考えはすぐに浮かんでくる。


「あの。その……ほんのちょっとだけ……キスいいすか?」

「……ケホケホ……」

彼女は少し咳き込むが、またすぐにうとうとし始める。

その瞬間、俺は頭の中で自分の腹に蹴りを入れた。

(馬鹿野郎!!)

(熱あんのにキスとか、あわよくば襲おうとか、何考えてんだ俺は?!)

(鬼畜か!)

(クズの極みだろ!)

それでも下半身の疼きが治らない俺は、自分の両頬を手でパチンと軽く叩く。

(できる! 耐えろ!)

(夏祭りまで、もうちょいだろうが!)

(いける! やれる!)

だが残念なことに必死に心の中で唱えても、光莉さんの熱った顔が色っぽくて俺の下半身は膨らむばかりで我慢も融通も効かない。

「……っ、どうすりゃいいんだよ」

俺の悲痛な叫びとは裏腹に、腕の中の彼女は薬のお陰で静かに寝息を立て始めた。

「ふう……」

(光莉さんの風邪が大した事無さそうで一安心だけど……)

「……俺の下半身は一大事すよ」

そういいつつ、俺は彼女の安心しきった顔に目を細める。

そして無の境地を悟るべく瞳を閉じた。

※※
< 136 / 218 >

この作品をシェア

pagetop