クズなキミからの不適切な溺愛



──翌日は天気予報通り、朝からよく晴れていた。

私は週末の食事の作り置きを済ませると、掃除をして昼食を食べた。そして夏祭りに来ていく洋服を一時間半ほど悩むと、昨年セールで買った淡いブルーのワンピースと白いカーディガンに決めた。

待ち合わせの五分前に、吉良くんが約束通り迎えにきて、先程、とある神社で行われている夏祭りに到着したところだ。


「ここ『あやかし神社』って言って、縁結びで有名らしいですよ」

「そうなんだ。狐の神様なんだね」

私が灯籠に刻まれている狐の模様を目で指し示すと、吉良くんが頷く。

「それにしても灯りも華やかだし、すごい人だね」

「ですね」

田舎の夏祭りしか行ったことがなかった私は予想の十倍ほどの人の波に驚きが隠せない。

「てか、今日の服可愛いですね。水色で」

「あ、えっと。ありがとう」

そう答えつつ、黒のパンツに白いシャツというシンプルながらモデルにしか見えない彼を直視できない私がいる。

「どうかした?」

ぱっと目を逸らしたからか彼が不思議そうに首を傾けている。

(ほんと……王子様みたい)

「光莉さん?」

「……なんでもないの。ね、吉良くんはこういう、街のお祭り?ってきたことあるの?」

「ないですよ。昔住んでた田舎の祭りしか。光莉さんは?」

「実は私もおばあちゃん家に住んでたとき、行ったきりで」

そう、私が夏祭りにいったのは初恋の『おーちゃん』と幼い頃に行ったあの日以来だ。


「じゃあ俺と一緒ですね」
< 152 / 218 >

この作品をシェア

pagetop