クズなキミからの不適切な溺愛
吉良くんがにこりと笑うと、当たり前のように繋いでいる手のひらに力を込めた。

もう何度も繋いでいるのに、やっぱり気恥ずかしい。

(ほんと吉良くんって慣れてるし)

(カッコいいよね……)

こうして人混みで歩くとよくわかる。

通りすがりの女の子たちが彼を見て何やらヒソヒソと話しながら、頬を染めているのは一度や二度とじゃない。


(吉良くんは全く気にしてないみたいだけど)

そもそも芸能人顔負けのルックスをもつ彼にとって、女の子たちから熱視線を向けられるのは慣れっこなのかもしれないと思った。


「光莉さん、何かしたいのあります?」

「え?」

参道の左右に屋台や出店が沢山並んでいる。

「えっと、ヨーヨーか、あれかな」

私が指差したのは射的だ。

「お、いいっすね」

彼は私を連れて二、三人待っている列の最後にならぶ。

「わ。みて、景品どれも好きなやつばっかり」

「光莉さん、お菓子好きそうですもんね」

「私、あれ狙おっかな」

「パンダのマーチ、いちごオレ味ですか?」

「え! なんでわかったの?!」

彼がククッと声を漏らしながら笑う。
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