クズなキミからの不適切な溺愛
「俺見ないフリしてましたけど、ジャガイモとか食材置いてるカゴの中にいつも二、三個入ってますよね」

「うっ……見られてましたか。だから万年ダイエットなんだよね」

ふぅっとため息を吐いた私を見ながら、吉良くんが、ふっと笑う。

「ダイエット、必要ないと思いますけどね」

「ん? それどう言う意味?」

「そのままでいいよってこと」

「そ、うかな」

流し目で唇を引き上げた彼を見ていられなくて、私は何となくコホンと咳払いしてみせる。

「あ。せっかくなんで勝った方が負けた方のお願い、一個きくことにしません?」

「えっ……、何そのルール。なんか負けそうなんだけど」

「そうすか? 俺、射的めっちゃ初心者すよ」

「それは私もだけど。吉良くんってなんでもできそうだよね」

「え? 俺? そうかなぁ」

彼は本気で不思議そうにしているが、以前、飲み会の席で彼が運動全般が得意だと聞いたことがある。

なんでもたまたま怪我をした友達の代わりに出たサッカーの試合でハットトリックをしたり、中学の時、短距離走で歴代最高記録を出したことあるらしい。

(全部、会社の女の子たちが話してたのを聞いただけだけど)

仕事においても一切、手を抜かずなんでも完璧にこなす彼に、果たしてもできないことなんてあるんだろうか。

(まだ負けてないけど)

(吉良くんのお願いって何だろ?)

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