クズなキミからの不適切な溺愛
彼の言葉を聞き終わる前に、私の目から涙が転がった。

「泣かないで」

「だって……、おーちゃん、だった……なんて」

「光莉さん」

彼は私の名を呼ぶと、『サマーサイダー』のキャップを外し中からビー玉を取り出す。それを私の手のひらにコロンと乗せた。


「やっと言えますね」

「……吉良くん」

「約束果たしてもいいですか?」

「私……っ」

なぜ吉良くんに強く惹かれたのか、なぜいつも彼から目が離せないのか。

きっと幼い頃の初恋だからだという理由だけじゃない。


──これはきっと運命の恋だ。

想いが溢れてこぼれて、ただ彼が愛おしくてどうしようもない。

「光莉さん」

彼が涙を指先で救いながら優しく微笑む。

「俺のお嫁さんになって」

その言葉を聞いた瞬間、『おーちゃん』の顔が吉良くんに重なる。

「……私で良かったら……」

なんとかそう答えるとまた涙がこぼれ落ちる。
彼が私を強く抱きしめた。

「好きだよ。ずっとそばにいて」

「私も吉良くんが好き……大好き。ずっと一緒にいたい」

「俺も、もう離さない」

そして満天の星空の下でキスを交わす。

そのキスは、甘酸っぱい初恋の味がした。
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