クズなキミからの不適切な溺愛


「……ん……っ」 


目を開ければ、目の前には綺麗な寝顔を惜しげもなく披露している吉良くんがいる。

(いつのまにか、もう朝……)

(そっか。昨日あのまま……)

夏祭りの帰りに吉良くんの部屋に寄り、そのまま身体を重ねた。

お酒が入ってなかったため、記憶ははっきりしている上に、腹部には違和感も残っている。 

(最後の方は意識がないけど……) 

(シたんだよね)

私はタオルケットをかけられているが、下着はもちろん身につけておらず、同じくタオルケットに包まっている彼は上半身裸だ。

(おーちゃん、なんだよね)

まさか彼があの男の子だなんて、いまだに信じられない。

けれどそう言われたら、面影がある。うろ覚えだけど、あの男の子も王子様のように綺麗な顔立ちをしていたから。

「ふふ、可愛い」

手を伸ばしてそっと柔らかい黒髪に触れる。
すやすやと眠る彼は少年のようなあどけなさがある。

(寝顔、幼いな)

しかしながら、昨晩のアレコレを思い出せば、やっぱり彼は大人の男性であり、また女性経験豊富なのだと実感せずにはいられない。

(こんなに子犬みたいな可愛い寝顔なのに)

(……すっごい慣れてたよね)

(あんなに気持ち良かったの……初め……) 

そこまで考えてから私は慌てて顔を振った。

(私ってば朝からなんて卑猥なことを……)

(そうよ光莉、やめなさい)

私は自分で自分を戒める。

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