クズなキミからの不適切な溺愛
「どしたの?」

「……あ」

隣を見れば、さっきまで眠っていたはずの彼の目と目が合う。

「ごめん。起こしちゃった? そろそろ起きようかなって」

「ね。もうちょいだけ」

「え?」

すぐに彼の両手が私を抱き寄せる。それだけで朝から心拍も血圧も上昇する一方だ。

「光莉さん、身体大丈夫?」

「ええっと……うん」

「そっか。あの昨晩は余裕なさすぎて、キツくなかったかなって」

あんなに色気たっぷりで余裕そうに見えたのに、彼の困ったような表情を見ると、嘘をついているわけではなさそうだ。


(余裕あったら、どうなっちゃうんだろう)

(ってまた私ってば、昨晩のことはひとまず頭の端っこにやらなきゃ)

「ん? どうかした?」

「え、いや、何でもないの」

「もしかして……イマイチでしたか?」

「いや、違っ……むしろ」

「お。むしろ?」

「何でもないっ」

彼が私を見ながらククッと笑う。

「それは良かったです」

「返事に困るけど……」

「俺は嬉しい。自信つきました」

「自信つけないで」

「ぷはっ」

彼が朝から破顔する。

しかしあれほど快楽に溺れたのは初めてで自分でも戸惑うばかりだ。元々そういう行為に淡白な方だと思っていた私なのに、あんなに乱れてしまうなんて信じられない。

そして彼は全くもって気にしていないようだが、私は今現在もどうにも気恥ずかしくて、落ち着かない。
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