クズなキミからの不適切な溺愛

吉良くんと正式に交際を始めて二週間が経った。

あれから、夜にインターホンを押されることもなく、和馬から絡まれることも連絡もない。

交際は順調すぎるほどにうまくいっている。

私は事務所でパソコンを打ちながら、口元を僅かに緩めた。


(三ヶ月ほど前まではただの後輩だったのに)

事務所の壁にかかっているホワイトボードには隣の席の彼は午後から営業で、そのまま直帰予定となっている。

(確か今日は安堂不動産の新社長就任のレセプションパーティーって言ってたよね)

吉良くんは忙しい合間を縫って、必ず私を送ってくれていたが今日は私から断った。

(心配してくれるのは嬉しいけど、あんまり負担にはなりたくないし)

彼にこう言ってしまうと、頼ってくれないと拗ねてしまうので口には出さないが、私だって吉良くんに心配ばかりかけたくない。

「みんな、少しいいかな」

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