クズなキミからの不適切な溺愛

滞りなく仕事が終わり、私はアパートに向かって歩いていく。

(あ、吉良くんに連絡してって言われてたんだった)

彼は思っていたよりも本当に心配症で一緒に帰れない日は、会社を出る時と家に着いた時に連絡が欲しいと言われているのだ。

私は今から帰る旨をLINEする。

彼は忙しいようで、昼休みに送ったデザイン賞の件についてはまだ未読だ。

(仕事、忙しいのかな)

私は仕事無理しないでね、と追加でLINEをする。

そして送りながら、この間の彼の言葉をふいに思い出して私はクスッとと笑った。


『LINE束縛しすぎ? 俺ってめんどい?』

そう言って子犬のような目で見つめられた私が、彼の言葉を速攻で否定したことは言うまでもない。

むしろ恋人からこんな風に心配されて、大事にしてもらったことがない私は、彼の意外と重い愛情を嬉しく思っている。

(今日は一人だしチャーハンでいっか)

そして彼からの返事を待ちながら歩けば、アパートのエントランスが見えた。

私は郵便受けから一週間ぶりに郵便物を取ると、鍵を開けて家に入る。

いつものように電気をつけて、私はふとリビングで立ち止まった。

(あれ……?)

私は室内に干していた洗濯物がソファーに畳んであるのをみて首を傾げた。

「畳んだっけ?」
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