クズなキミからの不適切な溺愛
インターホンが鳴り響いた私は、ガシャンとスマホを床に落とす。

そしてドアノブを握る音がして、血の気が引く。

(一体……誰……? 鍵は閉めてるから入ってこられないはずだよね)

恐る恐るドアを見ていれば、ふいに鍵穴がゆっくりと回りだす。

(!)

私は尻餅をつくと、恐怖から声が全く出ない。


そしてドアノブが開かれて、私は大きく目を見開いた。 

「光莉、ただいま」

「どう……して」

「あ、驚かせてちゃったかな。さっきはまだ帰ってないみたいだっだからさ。時間潰して再度来たんだよ」

(さっきって……)

和馬はニコニコしながら、部屋に入ってくると私の目の前にしゃがみ込む。

「洗濯物畳んどいたよ。僕って家庭的だよね」

「……どうやって……入ったの?」

「あ、それはこれ。作っといて正解だった」

「何、それ……」

彼がこちらに見せているのは粘土状の鍵だった。

「光莉から合鍵貰ったときに無くした時ように作っといたの。まさかこうして役に立つなんてね」

私は彼から離れようとお尻を突いたまま、リビングの方へ後退りする。

すると彼は床に散らばっている手紙を拾い上げ、微笑んだ。


「あ。これも僕ね。だって光莉が悪いんだよ。僕が浮気したからって、こんなに意地張るなんてさ。ほんと想定外」

「は、犯罪だよ……っ、こんなことして……」

「犯罪? ただの痴話喧嘩みたいなものじゃない? だって光莉には僕しかいないじゃん」

和馬はそう言うと、私の手首を掴み、床に押し倒した。

「きゃっ……」
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