クズなキミからの不適切な溺愛
※※

警察で取り調べを受けた後、私は吉良くんとタクシーで一緒に自宅へ荷物を取りに帰ってから吉良くんアパートへと帰宅した。

とてもじゃないが、今日はあの部屋で過ごすのは無理だったから。

「暫く、俺と住んだらいいから」

「うん」

私は寝室に荷物を置きながら素直に頷く。

「あとこの件は母さんに引き継いでやってもらうことになったから安心して」

「……ありがとう」

警察からは和馬の身柄は暫く拘束されることを聞かされた。

そして吉良くんからはおそらく起訴を経て、実刑判決がくだることも聞いた。

あんな風に和馬を変えてしまったモノが何なのかはわからない。よくよく考えれば自分にも何かしら責任の一端があるのかもしれないが、今はもう全部忘れたい。

「おいで」

俯いて立ち尽くしていた私は、ベッドサイドに腰掛けた吉良くんの隣に座るとすぐに彼の腕に包まれた。

「……怖かった……」

そう言葉にすればまた涙が転がっていく。

「本当ごめん。俺が一緒に帰ってれば良かった……」

唇を噛み締める彼を見て、私は首を振る。

「責めないで。吉良くんが来てくれなかったらきっと……」

一生かけても癒えない傷を負っていただろう。

「吉良くん……」

彼が心配そうな表情を浮かべながら、指先で涙をそっと拭うと、私を見つめた。

「光莉さん?」

「上書きして」

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