クズなキミからの不適切な溺愛

エピローグ



「きゃあ、遅刻ギリギリ」

「ですねー」

「もっと早く起きるつもりだったのに」

昨晩は和馬のこともあり、吉良くんに抱かれたあと眠ってしまった私は、珍しく朝起きられなかったのだ。

「はい、焼けましたよ」

「ありがとう」

私はシャワーを浴びて髪を整えると、吉良くんが焼いてくれたトーストを飲み込むようにしてお腹に入れる。

「ちなみに俺は6時に起きてたんすけど、光莉さんが離してくれなかったんで」

「……っ、誤解を招くようなこと言わないで」

「俺をぎゅっとして寝てる光莉さんがまるで天使みたいに可愛すぎて、朝から一時間、見惚れてました」

「あのね……よくそんな恥ずかしいセリフが次から次へと」

「もっと言いましょうか? 百個は言えますけど」

「やめてよっ、聞いてたら本気で遅刻するでしょ」

「聞いてくれんだ。じゃあ今夜言いますね」
 

答えずにキッと睨んで見せれば彼がふっと笑う。そしてネクタイを締めながら、私の頭をポンと触れた。

「良かった、いつもの光莉さんですね」

(あ……)

その言葉に彼の優しさが詰まっていて、今度は急にウルッとしてしまう。
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