クズなキミからの不適切な溺愛


二十分後。俺は無事に一人で成し遂げた。

「おお、うまそう!」

フライパンの中を覗き込み味見をすると、思わずそう声を上げた。


「誰でもできる卵とベーコンのチャーハンって書いてあったけど、マジじゃん」

そして平皿を食器棚から出してよそっていると、スマホが震える。

(おっ)


見れば光莉さんから駅についたから十五分ほどで帰るとのことだ。

(冷めないうちに食べてもらえそうだな)

「ラップしとこ」

俺はラップをすると、エプロンを外し、ソファーに腰掛けようとして、取り込んだままの洗濯物の山に気づく。


「これもしとくか」

光莉さんと同居を始めてまだ十日。

何ごともはじめが肝心だ。

家事は分担して……いや、なるべく俺ができるときは自分がして光莉さんの負担を減らしてあげたい。

(俺は世界一、彼女に尽くすトイプードルなんだ!)


彼女のために何ができるのかなんて、あやふやでわからない。

でも俺の隣にいても窮屈に感じないよう最大限の努力をしたい。

俺とずっと生涯、一緒にいて欲しいから。


「──恋は努力って、名言だな」
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