クズなキミからの不適切な溺愛
「な……っ、ここで?」

「じゃあ、ベッドに行けばいいの?」

「そんなこと言ってない」

彼女は至近距離の俺を手のひらで押し返そうとするが、俺は鞄からパッと手を離すと、強引に抱き寄せた。

同じシャンプーを使っているはずなのに、やけに甘く感じる髪の匂いにすぐに欲情しそうになる。

「お、恩志くん」

「ん?」

「あの。これ、どういう状況?」

「んー、ようは俺に食べられそうになってんじゃないすか?」

「……えっと、まずはご飯が先だから……」

「ご飯食べたら、いいの?」

「そ、それは……考えとく」

か細い声でそういうと彼女は出来るわけもないのに、俺の腕からすり抜けようとする。

「考えとくってことは、食べていいってことだよね?」

「……た、ぶん」

無理矢理に視線を合わせたその顔はさっきよりももっと真っ赤だ。

(あー、ほらその顔)

(これで無自覚ってどうなんだろね)

(もう食べるしかないじゃん)

「離して、もういいでしょ?」

俺はそう言いながら、ジタバタとか弱い抵抗を試みている彼女の頭を手のひらで固定すると、ぐっと顔を近づけた。

「……っ、ちょ、っと」

「光莉さんがそんな顔するのが悪い」

「え、……わっ」

俺はそのまま頬にチュッとキスを落とす。

そして唇をそのまま彼女の耳元に寄せた。


「ちゃんと『待て』するから、あとで一緒にお風呂もはいろ?」

「な……っ、だめ! お風呂は恥ずかしいっていったでしょ」

「え~っ、前は一緒に入ったじゃん」

「恩志くんが勝手に入ってきたの忘れたの?」

「でしたっけ?」

「もう、覚えてるくせに」

「バレたか」

俺は唇を引き上げながら、そっと光莉さんの身体から両手を離す。

(あんまりしつこくじゃれつくのもよくない、だったよな)

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