クズなキミからの不適切な溺愛
「えぇっと、今から飲んじゃう感じですか?」
「うん、おつまみも買ってきてあるからね」
俺は光莉さんと酒のセットを見るたびに、どうしても嫌な予感がしてしまう。
そう、例のやつだ。
その名も──拷問。
あれはマジでとんでもなくキツい。受けた者にしかわからないと思うが、一度でも体験すれば、世の男の大半は二度とごめんだと思うだろう。
「あれ恩志くん? 飲む気分じゃなかった?」
「あーいや、飲みたいんすけど……」
そう、俺は酒は好きだ。なんならセックスの前のお酒も大歓迎。
「けど?」
彼女はキョトンとして俺を見つめる。
(いやいや、これフラグだろ)
(風呂どころか、先寝ちゃうやつじゃん)
「あのですね……光莉さんが飲みすぎないかなって心配で」
「ん? 気を付けるけど一緒に住んでるし問題ないかなって」
「あー、ほんとだ。そうでしたね。俺ってば何言ってんだろー……ははは」
俺はほぼ棒読みでそう答えると当然のことながら、心の中で頭を抱える。
(いやいや、前シたの三日前じゃん)
(そろそろ俺は限界きてんすけど)
(なのに……俺はまた拷問受けなきゃいけないとか)
(はぁあ。どう考えても、きっつ……)
そこまで考えてから俺は、ハッとする。
(いや待てよ。もしかしたら俺の経験値不足なだけで、酒に酔った私を襲ってとか?)
(マジか、わかりにくいけど)
(これは……光莉さんからのお誘い?)
そう考えると、彼女が急にお酒を呑もうと提案してきたのもわかるような気がしてくる。