クズなキミからの不適切な溺愛
※※ 光莉side ※※
「……どうしよう。こんなとこで寝ちゃうなんて……」
私は珍しくソファーで眠ってしまった恩志くんを見ながら、ひとり呟いた。
そして彼にタオルケットをかけながら無防備な寝顔を晒している彼をじっと見つめる。
(せっかくお酒も用意したのに……)
(うまく誘えなかったな……)
「はぁ……」
最近、私は控えめに言ってもこの恋に溺れていて、彼との未来をふいに想像してしまうこともあるくらいで自分でも戸惑っている。
(まだちゃんと付き合って数週間なのに)
(こんなに好きでどうしよう)
元から恋愛経験が少ない私なのだが、年下の男性と交際するのは初めてだ。だから年下カレとのお付き合いのさじ加減が色々とよくわからない。
先日、美容院のカット中に読んでいた雑誌に“年下カレとの付き合い方”の特集が掲載されていたのだが、それを読んで私は目から鱗だった。
恩志くんは大体、週に二度のペースで私を抱くのだが、いつも誘ってくるのは彼の方ばかりだ。
(五回に一回は、年上彼女からも誘うといいって書いてあったよね……)
人生において、自分からそんなことを誘うなんてしたことはないが、かと言ってこういう小さな躊躇いの積み重ねが原因でまだ若い彼の気持ちが離れていってしまうのはどうしても避けたい。
だから、私はお酒の力を借りて今日は自分から彼をベッドに誘ってみようと思っていたのだ。
そのために新しいピンクの下着まで購入済で、クローゼットに隠してある。
(今更だけど……こう未遂におわると、なんかとてつもなく恥ずかしい……)
(あの下着、しばらく封印しとこ)
私は彼の柔らかい黒髪にそっと触れる。