クズなキミからの不適切な溺愛
「俺、昨日言いましたよね?」
「何を?」
「は? 告りましたよね」
「……ん?」
私の表情を見て、吉良くんが脱力する。
「マジか……まさかのやり直しって…」
(昨日って……吉良くんから何か言われたっけ?)
彼の拗ねた表情を見ながら、私は力の限り曖昧な記憶を辿ってみる。
(ええっと……そう言えば夢で吉良くんとキス……って言うか、あれは夢じゃないから……)
(ということは……好きです……ってこと、も夢、じゃない??)
「え、ええっ?!」
私は昨晩の吉良くんに組み伏せられた状態からの恥ずかしい場面のアレコレを思い出すと頬を覆った。
「あ! 思い出したんだ?」
彼がすぐに反応するとドヤ顔でこちらを見下ろす。
「てことで俺、新名さんと付き合いたいです」
そう言って満足げににっこり微笑んだ彼を見ながら私は呆れてしまう。
「もう朝から冗談やめてよ」
「は? 冗談であんなクソ恥ずかしいこと言う奴に見えます?」
「ごめん。思いっきり見える」
「え、マジすか……」
今度は彼が頭を抱える。
(え? なんかショック受けて、る?)
「吉良くんからしたら日常茶飯なんじゃ……」
「あー。違いますよ」
「何が違うのよ?」
「正直に言って欲しいんですけど、もしかして俺のことクズとか思ってます?」
「えっとプライベートはそうね。女の子にだらしない印象、だけど?」
「あー……そうすよね、そう見えますよね……くそ。どうしたらいんだよ」
彼がぶつぶつと独り言を言うと前髪をクシャっと握る。
「ねえ、吉良くん、ちょっと大丈夫?」
「大丈夫じゃないですね。今からやり直すんで」
「何を?」
吉良くんがよしっと気合いをいれるとベッドにあがり正座する。
「え、ちょっと……?!」
驚く私をよそに真面目な表情の彼に、心臓は勝手にどきんとする。
「新名さんがずっと好きでした。誠心誠意、クズを脱することを誓うんで付き合ってください」
ぺこりと頭を下げた彼を見ながら、私はこれでもかと口を開けた。