クズなキミからの不適切な溺愛
「昨日のことは私が軽率だった。吉良くんのことを責めたりしない。告白もありがとう。でもごめんなさい、付き合えない」

三回目となるセリフを一息で言えば、彼の視線がルイボスティーのグラスから私に移される。

「じゃあ俺、週明け口滑らしますね」

「誰に?!」

「そんなの知らないですよ。嫌だったら付き合ってください」

「なんで私なの。社内にも若くて可愛い子沢山いるし、吉良くんなら誰でも付き合ってくれるでしょ」 

「光莉さんがいいって何回言わせんの」

ずいとこちらに顔を寄せた吉良くんに、やっぱり嫌でも心臓は跳ねる。

(ほんとに……綺麗な顔)

(ってそんなことは置いておいて、なんでこんなことになってるんだろう)

ただ、昨晩あんなのことがあったのに朝から泣かずに済んでいるのは間違いなく彼のおかげだ。

そしてこうやってプライベートの彼と話していると、仕事の時の大人な印象とはちがって、やっぱりまだ二十四歳なんだな、と少し可愛らしいと思ったりもする。

──が、私はアラサーだ。

和馬のこともあり、これからの恋愛は今まで以上に慎重になるべきであり、吉良くんの軽い『好き』に付き合うほど若くない。


「俺のこと考えてます?」

「……っ、その言い方やめてよ」
< 29 / 218 >

この作品をシェア

pagetop