クズなキミからの不適切な溺愛
「大丈夫ですか?」

「うん、みっともないところ見せてこめんね」

まだ少しだけ声が震える。
もうあの二人のことで傷つきたくなんかないのに、まだ癒えているはずもない傷は更に深く大きくなった。

「みっともなくなんかないです。もっと早くくるべきでした」

私は何だか涙が出そうで首だけ振った。

吉良くんは私の背中を支えたままベンチに誘導する。  


そして並んで座ると、えっと、と言葉を吐きだし眉を下げると柔らかい髪を握った。

「あの、どうしたの?」

「……すみません。内緒って約束したのに」

「あ、それを気にしてたの?」

「はい。あの二人が言うかわからないですけど……その俺、女の子関係でいい噂ないんで、その光莉さんが俺に遊ばれてるとか噂立てられたら嫌だなって」

「ありがとう……優しいね」

「彼氏なんで当たり前です」

吉良くんのプライベートな一面は垣間見ただけで交際も始まったばかりだが、彼の気遣いや優しさに嘘はないと思う。


「……てか腹減りません?」

「うん。お腹はペコペコ、かも」


そう答えると彼がスーツのジャケットのポケットから、メロンパンを取り出す。

「半分こ、しません?」
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