クズなキミからの不適切な溺愛
※※

(つい……誘っちゃったけど……)

私は、帰宅するとエプロンをつけてすぐに晩御飯用のカレーを作り始めた。具材とローリエの葉を鍋で煮込みながら時計を確認すればもうすぐ約束の二十時だ。


(そろそろ来るよね)

昼休みに私のお弁当を完食した吉良くんは、明日までにお弁当箱を洗って家に持ってくると譲らず、私はそれなら夜ご飯一緒にどうかと提案してまったのだ。

「後輩の男の子を家に連れ込むなんて……いや、連れ込む? 一応付き合ってるからそれは違う、よね」

吉良くんの押しに負けて始まったこの期間限定の関係に名前がうまく付けられず困ってしまう。

──その時、インターホンが鳴った。

すぐに扉を開ければ吉良くんが、太めのジーンズに黒のTシャツというラフな格好で手にはコンビニ袋と紙袋をぶら下げている。 

(なんか……緊張するな)

見慣れない吉良くんの私服と二人きりの空間になんだかソワソワしてくる。

「……早かったですか?」

「ううん。ちょうどカレーできるから。あ、えっとどうぞ」

「お邪魔します」

吉良くんはスニーカーを脱ぐと、きちんと揃えてから部屋に入ってくる。

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