クズなキミからの不適切な溺愛
「光莉さんこんくらいですか?」

彼が炊飯器から、しゃもじを片手にこちらを覗き込んでドキッとする。

「う、うん」

「てか光莉さんって小さいですね」

「き、吉良くんが大きいんでしょ」

「何センチですか?」

「161だけど?」

「じゃあ俺より25センチ小さいってことですね」

その言葉に私は頭の中で計算する。

「186ですよ」

「え、……」

「今、俺の身長計算してたから」

吉良くんは悪戯な目をしながら私にカレー皿を差し出す。少しドキドキしている間にいつのまにかカレーのルーもかかっている。

「すっげー美味そうすね」

「急いで作ったから自信ないけど」

「味に間違いないでしょ。今日のお弁当で光莉さんに胃袋掴まれたんで」

(ほんと口が上手だな)

女の子慣れしている彼の言動に以前ならやや軽蔑の眼差しをむけていた私なのに、いまは嫌でもなければ、心臓がずっと騒がしい。

(三ヶ月限定なのに……)

(なんか自分が自分でわからない)

彼が自分の分もカレーをよそうと私たちは向かい合って座り、『いただきます』をする。

そして彼の満面の「うまっ!」にまたドキンとしながら、チューハイに口付けた。
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