クズなキミからの不適切な溺愛


翌朝──。

私は吉良くんより先に起きると彼の腕をすり抜け、朝ごはんを準備しながら洗濯機を回していた。

彼はソファーで長い足を放り出したまま、まだ眠っている。

ピーッと洗濯機から終了の音が鳴って私はベランダに洗濯物を干していく。


「……おはよーございます」

「あ、おはよ」

振り返れば、吉良くんが起き上がりながら柔らかい黒髪をかきあげ胡座をかいた。

無防備な寝起きは昨日の色気に溢れた姿とは程遠く、可愛らしい。


「……すいません、俺泊めて貰ったんすね」

「そうね。家にきてすぐ、その、寝ちゃったから」

「俺、なんかしました?」

「え?」

「なんかすごいいい夢みたんですけど、あんま覚えてなくて」

残念そうに首を傾げている彼を見ながら、私は何食わぬ顔でバスタオルを干す。

「光莉さん?」

「別に何もないわよ」

「ほんとに?」

吉良くんが立ち上がると私の目の前に立つ。


「何?」

「ちょっと確認させて」

彼は私の首筋に手を伸ばすと、襟の部分を僅かにずらした。
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