クズなキミからの不適切な溺愛
「やっぱ夢じゃないじゃん」

「あ……」

すっかり忘れてていたが、確かに昨日、吉良くんに鎖骨にキスマークをつけられたことを思い出す。

「……お、覚えてたの?」

「いや、うろ覚えですけど、襲いかけたなーって記憶はあったんで」

「色々と、大変だったんだから」

「へぇ。詳しく教えてくれます?」


私は長身を屈めた彼の肩をトンと突いた。

「……いいから、先にシャワー浴びてきて」

「積極的ですね」

「何が?」

「シャワー浴びたら、昨日のこと教えてくれるってことじゃないんすか?」

「……っ、違うに決まってるでしょ。ご飯にするの!」

「なんだ残念」

彼は悪戯っ子のような目を向けながら、シャワールームへと入っていく。

私は残りの洗濯物を干し終わると、まだドキドキしている心臓を落ち着かせるべく深呼吸する。


(もう朝から心臓に悪すぎ)

(てゆうか、私の告白は覚えてないみたい……)


かなり酔っていたから、私の好きという言葉は覚えていないだろうと思ってはいたが、彼の記憶にないと思うと、毎度こちらばかりがドキドキさせられてなんだか悔しい。



その時、小さくスマホのバイブ音が聞こえてくる。

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