クズなキミからの不適切な溺愛

一時間ほど吉良くんの後ろでドキドキしているうちに海に辿り着く。

「わぁ、綺麗」

「天気良くて良かったですよね」

吉良くんはバイクを停めるとヘルメットをハンドルにぶら下げて紙袋を手に持った。

「光莉さん、迎えにいく前にパン屋でサンドイッチ買ってきたんであっちで食べましょう」

「ありがとう。えっと、お支払いさせて」

「俺、彼女にお金出させるの苦手なので遠慮します」

吉良くんは鞄からお財布を取り出した私の手を制止する。

「その代わり、こっちいい?」

そう言って、彼の大きな手が私の左手を包み込んだ。

「う、ん……」

(ほんと手慣れすぎてる)


今まで何人の女の子をこうやってドキドキさせてるんだろうか。もしこれを意図せず彼がやっているのだとしたら、とんだ人たらしだなと思う。

「手ちっちゃいですね」

「吉良くんが大きいんでしょ」

「ですね、てかこのくだり身長でもやりましたね」

「どうりでデジャブ感が……」

「あはは」

彼の笑顔は初夏の太陽みたいにキラキラして眩しい。

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