クズなキミからの不適切な溺愛
「……し、仕事中だから」

「真面目ですか。襲われかけたのに。怖かったでしょう」

低く優しい声色に私は、黙ったままこくんと頷く。吉良くんは手を握ったまま、もう片方の手で私の頭をそっと撫でた。


「……さっきの写真、本当に知り合いの弁護士に依頼することもできますよ?」

「ううん、大丈夫。和馬にもハッキリ言ったし、料金もかかるし……」

「料金のことは問題ないです、俺なら格安でやってもらえるんで」

「え? どういうこと?」

和馬のことを訴えるつもりはないが、俺ならという、吉良くんの言葉が気になった。

「あ……えっとその弁護士なんですけど……」 


言いにくそうにしている彼に私はある推測が浮かぶ。

(なるほど……過去の女の子か)  

「無理に言わなくていいよ……その、過去のことだと思うし。それに和馬のこと訴えるまでは考えてないから」

「あ、ちょっと待ってください。過去のことって俺の、その、女の子関係と思ってません?」

「違うの?」

「違いますよ、母親です」
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