クズなキミからの不適切な溺愛

吉良くんが連れてきてくれたラーメン屋さん『はるか』は会社から徒歩10分ほどの所にある、魚介系醤油ラーメンがイチオシの知る人ぞ知る名店だ。


私は一度も来たことなかったのだが、吉良くんと交際して一か月ほどたった頃、一度連れてきてもらったことがある。今日で二回目だ。

「今日は空いてますね」

「うん、お腹すいてたからラッキーだね」

私たちが注文をすませると十分ほどで熱々の『はるか醤油ラーメン』が目の前に置かれる。

二人一緒にいただきますをしてから箸を割り、すぐに食べ始める。

「んん、美味しいー」

「醤油はここが一番美味いすよね」

「吉良くん、誰かに教えてもらったの?」

「ああ、仲いい先輩に教えてもらって。結構芸能人も来てるみたいですよ」

私が壁に飾られている色紙に目をやれば、吉良くんは玉子を口に放り込む。

「あ、吉良くん見て。マカのサインもあるー」

「本当すね、てか光莉さんがデザイン担当してるアイスティーのCM、マカに決まったんでしたっけ?」

マカは今、この日本で知らない人はいないほど有名な国民的俳優で、特に二十代の女性を中心に爆発的な人気を誇っている。
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