クズなキミからの不適切な溺愛
「おはようございまぁす」
苦手な甘ったるい声色が聞こえてきて、私はこめかみを押さえたくなる。
淡いブルーのワンピースに高そうな黒いバッグを抱えた彼女の名前は高梨美蘭。私より二つ年下の二十五歳で同じ営業開発部に所属している派遣社員だ。
「新名先輩~吉良くん~、おはようございます。てか二人で何話してたんですか〜?」
「別に大したことはないわよ」
「え~、なんか楽しそうじゃなかったですか~」
美蘭は明らかに視線を吉良くんに向けながら、斜め向かいの席に座る。
「ね、吉良くん〜?」
「どうですかね」
(高梨さんには塩対応よね……)
女遊びの激しい吉良くんだが、彼が社内の女の子から告白されたらしいという噂は耳にするが、交際したという話は聞いたことがない。
彼なりに仕事とプライベートの線引きなのかもしれないな、と私は思っている。それならなぜ私にはあんな態度なのかと思うこともあるが、それは吉良くんにとって私が恋愛対象ではないからだろう。
(まぁ、三つも上だし)
美蘭は人差し指を頬に当て小首を傾げながら吉良くんを除き込む。
「ねぇ、教えてくださいよ〜」
「気が向いたら教えますね」
「え〜っ」
「てか仕事の時間ですよ」
吉良くんはそっけなくそう返事をすると、さっきとは別人のようにパソコンを見ながらキーボードを叩き始めている。見れば事務所には課長達も出社してきて、壁掛け時計は業務開始五分前だ。
(オンとオフがはっきりしてるのがいいとこよね)
彼のプライベートはクズだが、仕事においては一切手を抜かず、今季の営業成績は現在トップだ。
私は彼の仕事に対する、自分に厳しく何事も妥協しない姿勢は密かに尊敬している。
苦手な甘ったるい声色が聞こえてきて、私はこめかみを押さえたくなる。
淡いブルーのワンピースに高そうな黒いバッグを抱えた彼女の名前は高梨美蘭。私より二つ年下の二十五歳で同じ営業開発部に所属している派遣社員だ。
「新名先輩~吉良くん~、おはようございます。てか二人で何話してたんですか〜?」
「別に大したことはないわよ」
「え~、なんか楽しそうじゃなかったですか~」
美蘭は明らかに視線を吉良くんに向けながら、斜め向かいの席に座る。
「ね、吉良くん〜?」
「どうですかね」
(高梨さんには塩対応よね……)
女遊びの激しい吉良くんだが、彼が社内の女の子から告白されたらしいという噂は耳にするが、交際したという話は聞いたことがない。
彼なりに仕事とプライベートの線引きなのかもしれないな、と私は思っている。それならなぜ私にはあんな態度なのかと思うこともあるが、それは吉良くんにとって私が恋愛対象ではないからだろう。
(まぁ、三つも上だし)
美蘭は人差し指を頬に当て小首を傾げながら吉良くんを除き込む。
「ねぇ、教えてくださいよ〜」
「気が向いたら教えますね」
「え〜っ」
「てか仕事の時間ですよ」
吉良くんはそっけなくそう返事をすると、さっきとは別人のようにパソコンを見ながらキーボードを叩き始めている。見れば事務所には課長達も出社してきて、壁掛け時計は業務開始五分前だ。
(オンとオフがはっきりしてるのがいいとこよね)
彼のプライベートはクズだが、仕事においては一切手を抜かず、今季の営業成績は現在トップだ。
私は彼の仕事に対する、自分に厳しく何事も妥協しない姿勢は密かに尊敬している。