クズなキミからの不適切な溺愛
「高梨さんと面識ないんですよね?」

「うん……中学も高校、大学でも見たことないと、思う」

「了解です」

私はラーメンを食べ終わると、ご馳走さまをして箸を置く。

「とりま、あのカフェオレサービス、ちょっと気をつけた方がいいですね」

「それもそうだね」

「俺もなるべく注意して見ときます」

そう言うと、吉良くんが伝票をもって立ち上がる。

「あ、今日は私払うよ。この間も払って貰ったし」

「いいから払わせて」


吉良くんがさっとスマホ決済をすませると、私たちはラーメン屋をあとにした。

外に出れば夜空には満天の星空とお月様が浮かんでいて、街灯に照らされながら二つの影が並んでいる。

「ご馳走さまでした」

「全然」

「次、何かまたご飯作るから食べに来てもらえると……」

「はい、ぜひ」

暗い路地を並んで歩きだすと、吉良くんは当たり前のように私と手を繋ぐ。そして私のアパートへと向かっていく。 

「ごめんね、いっつも」

「全然。てか前から思ってましたけど、光莉さん甘え下手ですよね」

「そう、かな」

彼からそう見えるのは両親を早くに亡くし、一人っ子だったことと祖母に育てられたからかもしれない。
祖母をなるべく困らせたくないと自立は早かったように思う。  

「遠慮もして欲しくないし、もっと困ってたり、悩んでたり、少しでも不安なことあったら俺に言ってほしいなって」
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