クズなキミからの不適切な溺愛
「それ返さなくていいわよ。元々、新名先輩のだから。落ちてたのを拾っただけなの」

あたしの言葉に新名先輩が声を荒げる。

「よくそんなことが言えるわね。カフェオレに睡眠薬いれといて!」

「なんのこと?」

「防犯カメラ見たらわかることよ!」

あたしはペロっと舌を出す。

「あはは、残念でした〜。防犯カメラなんて無駄ですよ。手元が映らないようにしてるので。あたしが混入したとは言い切れない。あとカフェオレも捨てたので証拠は何もないです」

にっこり微笑んで見せれば、新名先輩がさらに怒りを露わにするのがわかった。


「だから……私の名前で注文したのね」

「そうですよ〜その睡眠薬と紙袋があれば、仮に課長や会社に言ったところで先輩の自作自演じゃないですか〜?」

あたしの言葉に新名先輩がぐっと拳を握る。


「うふふ、その顔見れて満足です〜」

「あなたね……っ!」

あたしは二人が立っている自分のデスクに行くと、パソコンをシャットダウンして鞄をもつ。

そのまま、事務所をあとにしようとすれば吉良があたしの前に立ち塞がった。

「何? 邪魔なんですけど」

「そんなに新名さんが羨ましいですか?」

(!!)

「羨ましい? このあたしが?」

「ええ。俺には新名さんが羨ましくてどうしようもない可哀想な人に見えますが違うんですか?」

「はぁっ?! あたしがあんな女、羨ましいわけないでしょ!」

「へぇ。その割にムキになるんですね」

(コイツ……!)
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