クズなキミからの不適切な溺愛
※※


あのあと私と吉良くんも退社すると、自社ビルから外へ出る。

ここまで私も吉良くんもお互い無言のままだ。


(私をゆるさない、か……)


あの剣幕とカフェオレに睡眠薬まで入れてまで私を貶めようとするくらいだ。

吉良くんが以前言っていたように、私はどこかで高梨さんに会っているのかも知れないが、何度考えてもやっぱり思い出せない。

隣の吉良くんも難しい顔をしたまま、何か考え込んでいる。


「……光莉さん、心当たりないんですよね?」

「あ、うん。やっぱり……何度考えてもわからないの」

「俺、咄嗟に鎌かけたんですけど、あの感じだと以前から光莉さんを知っていて、何かに対して恨んでるのは間違い無さそうですよね」

「私も思った。私、何したんだろう……」

あんな風に怒りと恨みの感情を人からぶつけられたのは初めてで、当然、気持ちは落ち込むものの結局のところ理由がわからない為、ただ鬱々とするばかりだ。

「光莉さん」

「ん?」

吉良くんが、私の自宅アパートに向かっていた足をピタリと止める。

「オムライスは明日にして、バーに行きませんか? 顔広い奴がいるんで相談してもいいかなって」

「え? 高梨さんのことを相談するの?」

「信頼できる奴なんで安心してください」

私が頷くと吉良くんはすぐに回れ右をして、私の手を引いた。

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