クズなキミからの不適切な溺愛
「恩志の友人として、一杯奢らせてください。ね?」

「……じゃあ、お言葉に甘えて」

そしてすぐにグラスに口付ければ、グレープフルーツの爽やかな酸味と苦味が口内に心地よく広がる。

「わ、おいしー」

「良かったです」

「サンドイッチもすごく美味しかったです」

「お褒めいただき光栄です。ところで恩志は?」

「あ、お父さんからお電話みたいで」

「そうですか……アイツも大変だな」


神楽さんが腰に手を当てると、閉じたままのドアを見つめた。

(神楽さんは吉良くんとお父さんの関係知ってそう、だよね?)

私は少し躊躇いつつも思い切って訊ねた。

「……あの……吉良くんとお父さんはその、ずっと前から上手くいってないんですか?」

「ああ、聞いてないですか?」

「ご両親が離婚されてて、お父さんさんとの関係はあまりとだけ……」

「恩志の父親の職業は聞いてます?」

「あ、いえ。お母さんのお仕事しか」

神楽さんが私の返答に視線を一瞬、天井に向ける。

「……そうですか。まぁ、新名さんにはいずれアイツから話すと思いますよ。新名さんは恩志にとって特別なんで」

「え? あの、なんで……そう思われるんですか?」

「それはアイツが初めてここに連れてきたのが、新名さんだからです」

神楽さんの言葉に私は目を丸くする。

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