That's not such a big deal, is it?
「…ずっと気になってたんだけど、もうクラスメイトなんだし敬語止めない?」
「っえ?」
春風がそう言うと、桃瀬は足を止めた。
それに春風も合わせて一旦、立ち止まった。
桃瀬はずっと敬語を使っていた。
どこか距離感を感じるので、なくした方がいいかなと思い、提案したのだが、桃瀬は素っ頓狂な声を出して、悩み始めた。
「うーん。…これでいい?」
「うん。俺的には敬語を外したときの方がいいかも。仲も縮まったことだし」
「そっか。分かった」
桃瀬が敬語を外してくれたおかげで、幾分は話しやすくなっただろう。
「…売店、ありましたよ」
「…え?」
いや敬語になっている…とは思ったが、まだ慣れないのだろうということにして一旦置いておいた。
二人はいつの間にか売店まで来ていた。
さっきまで無心で歩いていたのだろうか。
桃瀬の言葉でやっと我に返った春風は売店に足を踏み入れた。
「おー。ちゃんと売店になってるわ」
「なんかATMみたい」
「分かる。なんか完全個室って感じする」
中に入ると売店の中は仕切りで囲われていた。
もっと開放的でコンビニみたいな内装だと予想していたから、肩透かしを食らう。
「何を買ったか目撃されないようにしているんだね」
「なるほど。そういうことなんだね」
「まぁ。個人的な解釈だけどさ…」
桃瀬は個人的な解釈と言っていたが、それで合っているように思った。
その役職にしか使えない特殊アイテムを購入するところを見られたら、ゲーム進行上での足枷となってしまうだろう。
売店はこの閉鎖的なところも合わせて、お世話になりそうな予感がする。
…決して、自分が殺人に使うアイテムを買おうと思っていた訳ではない。