That's not such a big deal, is it?
「てかさ、一階ってこんな風になってるんだな」
「そうだね。避難訓練のときくらいしかここは通らないし、ほとんど初めて見たよ」
そんな雑談をしながら、春風と桃瀬は踵を返し、廊下へと出た。
桃瀬が敬語を外してくれたおかげで、かなり桃瀬と話しやすくなったし、気分的にも楽になった。
「意外と回るところなかったね。二階でも行っとく?」
「良いけど時間足りなくなりそうじゃない?」
桃瀬に指摘されて時間を確認すると、思ったより時間を食っていたことに気づく。
最初、体育館を出たときは四時五十分だった。
しかし、今は時計は五時二十五分を指している。
探索を開始してから実に三十五分が経っていたのだ。
一階を回っただけなのに、ここまで時間を要するとは思っていなかった。
ここから他の階まで見て回っていたら、その間に入浴の準備ができたと連絡が来るかもしれない。
そのときまでには大きく変更された箇所を確認した方が何かと便利な気がする。
さて、どうしたものだろうか。
一回、自室に寄ってみようかな。
「じゃあ、自分の部屋を確認してから時間があったら他のところ見ない?」
「いいね。教室の場所だったから三階か」
そして、二人はいつも登校時に使っている階段を使い、三階まで上がった。
階段から廊下に出ようとすると、思わぬ人物が立っていた。